
生誕100年 ジャクソン・ポロック展に行ってきました。
けっこう混雑してるなんて話を聞いてたのですが今日は雨も降ってて寒さが戻ってきたからでしょうか。
さほど混雑していない状態で鑑賞することが出来ました。
さてさて、気になった作品について書いてみたいと思います。
☆西へ
こんなテイストの作品を描いてたとは初めて知りました。
画面全体がエフェクトをかけたかと思うような遠心的フォルム。
渦を描くというか動きを入れちゃってる。

☆誕生
視線移動が楽しい画面。何が描かれてのかは不明。
近くで見ていてもなかなか全体を捉えることが出来ない。

☆ポーリングのある構成?
この黒い線の軽味。
筆で実際にキャンバスの面に接地して描くというのとは違う。
これで確実に異なる位相が画面に加わっていることが分かります。
しかも、その動きには重力の影響が大きくかかわるわけでこれはかなり面白い仕掛けなのだなあと。

☆ブルー−白鯨
かと思うとこういうのも描いてたんですね。
一瞬、ミロの線を思い浮かべたのですが構成が異常すぎる。
キャラ的なものが配置されている画面上方のトーンで続くかと思いきや、画面の下部はパーツをカオティックに飲み込んだ波みたい!!
想像を超える作品をみてやられたと感じることは楽しいです。

☆インディアンレッドの地の壁画
これをよくぞ貸してくれたなあと。
視線移動がまるで追いつけない。画面の構成がどうなってるか追おうとするのだけども無理。
ただただ圧倒的なるエネルギーにまみれる感じ。
これは新たな地図だ。作家にしか、いや完成してしまうと作家本人ですら確認不能な地図なのだ。
そしてその大きさはもう宇宙ですね。

☆ナンバー7,1950
バックの銀がよい感じ。
そして何よりも白いラインがダンスしてるかのような心地よいリズムがそこにある。
1951年の第三回読売アンデパンダン展に出品された作品。
☆無題
リストのナンバーは47.
白地に黒で描かれた3つのイメージ。
もうこれはほとんど書です。
解説にあるとおり一番左のイメージにしろで修正がなされている。
なるほど、ここが書との違いでこれが絵画たる由縁かと。
☆ナンバー11,1951
晩年のブラックポーリングはしっくりとこない。
これまでの軽やかで満ち満ちていた躍動感も陰を潜めてしまった。
どことなく塗料の染み込みがマジックインキのように見えてしまうのがそう思わせる原因かなあと。
ポーリング、ドリッピングに思うのは重力の存在の大きさ。
床に描くという部分ではやはり書に通じてて、でも筆の直接接地しないところではそれと異なる。
この位相の獲得はポロックが唯一なのだそう。
今後もそういった表現が出てきて目撃できたらと思いたい。
5/6まで。