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マウリッツハイツ美術館展(東京都美術館)

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6/30からスタートしたマウリッツハイツ美術館展に行ってきました。

これでもかと街中に溢れた「真珠の耳飾りの少女」のポスターで見ていたもののやはり実物が見たくて仕方ありませんでした。

昨日、ようやく念願叶ったというわけです。

平日水曜日の昼間。時間は午後14時すぎていたくらい。

東京都美術館の入口と行き着くとなんと20分待ち!

ということで時間を潰して15時半に再度来てみたところ10分待ちに。

実際には5分程度で入場することが出来ました。


まず驚いたのがリスト。はがきより一回り大きいサイズで二つ折り。

リストのみならず、カラー図版も。主に「真珠の耳飾りの少女」のものが中心。グッズ紹介のページも。

なんかいきなりお金かかってるなあという印象。



第1章 美術館の歴史

ヨーハン・ゲオルク・ツィーゼニス「ソフィア・ヴィルヘルミナ妃の肖像」

つややかで立体感が強調された描写。

なんとも艶かしい印象。



第2章 風景画

パウルス・ポッテル「牧場の牛」

タイトルのとおりメインは牛なのですが、豚の描写がよい。

粗野なタッチで母豚の乳を飲む子豚が愛らしい。



第3章 歴史画(物語画)


ヤン・ブリューゲル(父)およびヘンドリック・ファン・バーレン
「四季の精から贈り物を受け取るケレスと、それを取り巻く果実の花輪」

素晴らしい豊穣のくだものと野菜たち。

中央は四季を擬人化ものなのだとか。

静物画に描かれる果物はリアルだけど生きてるという感じがしない。

でも、この絵に描かれた野菜&くだものは生命感を感じ取ることが出来る。



ペーテル・パウル・ルーベンス「聖母被昇天(下絵)」

なんとフランダースの犬のラストに出てくるのがこの聖母被昇天なのだそう。

特に画面下部に見られる早い筆致が見てとれる。

下絵だけあってポイントとなる箇所がばっちりと決まっている。



レンブラント・ファン・レイン「シメオンの賛歌」

レンブラントって版画と油彩は別物だと思ってたのですがこの絵では版画で見られた雰囲気が出ています。

背後の闇に解けるかのようなトーンの柱の描写は版画のタッチにとても近い。

にしても光と闇の対比が際立っている。

祝福を受けるイエスのあたりにふりそそぐ光のなんと神々しいことか。



ヨハネス・フェルメール「ディアナとニンフたち」

風俗画以前にフェルメールが描いていたもののひとつ。

以前にフェルメールセンターで見たときには複製画にしてはよく出来ているなあと感じたのですが、やはり実物をみるとまるで違うなあと。

後のフェルメール作品に比べると人物と要素が多いなあと。



第4章 肖像画とトローニー


ヨハネス・フェルメール「真珠の耳飾りの少女」

真打ち登場!!

導線は2つ。

ひとつは最前列で鑑賞するための列。こちらは混雑時には結構並びそう。夕方にはかなり空いていました。歩きながらの鑑賞なのでちょっと落ち着かない。

もうひとつはその後ろから鑑賞するもの。若干、距離はありますがこちらは動かずに見られるのが有難いところ。

さて、作品はというとやはり珠玉の輝き。

あと思ったのが背景の黒が意外にでこおこしているなあと。印刷物だと見栄えよくしてるのかかなりフラットな印象。

このバランスとポーズが写真的だなあと。

はっと振り返った一瞬をカメラで撮ったかのよう。

あと気になったのがターバンの垂れた先。

意図的に黒く暗くされているのが分かります。ほんとはもっと見えていいくらい。

この女性の髪形ってどうなってるんだろう?あと眉も剃ってしまってる。

なんとなく理想とするベーシックな女性像をシンプルに描写したのでしょうか。

髪形が分からない>だったら髪が無くても可能かも>剃髪した尼僧の方がこのコスプレをしたらどうなるんだろう?なんて妙な発想をしちゃいました。

見終わった後に頭の中で思い出すとあの少し開いた唇が浮かぶんですよね。

なんとも幸せな時間でした。

貸し出してくれて、日本で見せてくれてありがとう!

(関連記事:フェルメール「真珠の耳飾りの少女」が表紙の書籍


フランス・ハルス「笑う少年」

ふんわりとしたタッチがいたずらっぽい表情にぴったり。

どのくらいの時間で仕上げたのか気になるところ。かなり速く描ききったのでは?



レンブラント・ファン・レイン「自画像」

ほんとレンブラントは自画像が多い。

絵の具の塗りが面白い。

後で描き直したという帽子は他とはトーンを変えてあってその存在が主張してる。いい意味で。やりすぎると顔を殺すけどそうはなっていない。



レンブラント・ファン・レイン「羽根飾りのついた帽子をかぶる男のトローニー」

この空気感みたいのはなんだろう?

光と影の明度のあからさまに違うのがもちろん効果的なのだけども表情の生きてるって感じが光ってる。



第5章 静物画

ピーテル・クラースゾーン「ヴァニタスの静物」

質感の描写が最高クラス。骸骨、本のページの紙のばらつき。

これでも少ない色数で描かれたと解説に書かれてて驚かされる。



第6章 風俗画


ピーテル・デ・ホーホ「デルフトの中庭」

あっ、フェルメールっぽい!

と思ってたら同じデルフトを描いた絵画でした。

中庭でパイプを楽しむ主人とビールを飲む召使い。

なんでもない日常の光景がとてもいいなあと。



ヤン・ステーン「親に倣って子も歌う」

こういう宴を描いたらはまりますね、ヤン・ステーンは。

びっくりしちゃうのが画面右。

大人がパイプを子供に吸わせてしまってる!

ともあれ、家族団らん楽しそう。



そして今回、GETしてきたおみやげはこちら。

いつもお世話になっているTakさん(@taktwi)のブログ、青い日記帳とのコラボグッズのビアグラス。

びっくりするくらいに薄くて、洗うのに注意が必要。

なんとフェルメール作品に登場するステンドグラスをデザイン化した図版を使用しています。

オリジナルグッズ誕生までのいきさつはこちら↓
「マウリッツハイスへの道」Vol.1

9/17まで。必見です!!

↓こちらで予習もありってことで。
マウリッツハイス美術館展: 公式ガイドブック (AERAムック)クリエーター情報なし朝日新聞出版

高木英雄 展(マリーギャラリー)

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以前から気になっていたマリーギャラリーに行ってきました。

場所は浜町。あまりギャラリーのなさそうな馴染みのないエリア。

名古屋にあるギャラリーコヅカの東京店。

最近、地方のギャラリーが東京へ進出してきてるケースが増えてきてるように思います。ニュートロン、イムラなどなど。

マリーギャラリーでは現在、高木英雄 展を開催中。

WEBで見たらこの謎の赤い三角。これはちょっと実物が見てみたいなと。

てっきりプラスティックのようなケミカルな物体だと思ってたらなんとこれは紙。

しかも小さな三角のをたくさん組んででっかい三角にしてある。身長よりもでかくて紙とは言えかなり重そう。

この穴も曲者で見る位置によっては向こうが見通せたり塞がっていたり。

あとこの個が全、全が個というフラクタル的な構成が森美術館で見た「メタボリズムの未来都市展」を想起させてくれるような気がしました。

メタボ展見ていいなと思ったひとは好きかも。

こういった規則的で直線のイメージだったのですが他の作品はまた毛色も違っていました。

奥にかかっていた円形のリング状の作品はどこか曼荼羅的。

手前のテーブルに載っていた筒型のは面白いギミックが。

ギャラリーの方に触っていいと言われていじってみたら何層かになってて外すことが出来る。

これももちろん紙なのだけども中の芯みたいなのが木を削ったかのような風合い。なかなかに素敵。

大通りからちょっと奥まった静かなスペースでゆっくりと見ることが出来ました。

明日7/7まで。


Marie Gallery
http://mariegallery.com/

モンゴル料理羊一頭解体大宴会!

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というわけでモンゴル料理羊一頭解体大宴会!に参加して参りました。

新宿の歌舞伎町にあるオッと屋というお店。

ご覧のように羊を一頭まるまる解体しちゃうのです。


まずは後ろ脚!


パイ生地みたいなのの中身は羊のチーズ!


こちらは春雨。


そしてメインの羊肉!

これは白いご飯が欲しくなりました。


モンゴル相撲!


なんともかわいい羊のぬいぐるみ。


こんなモンゴル衣装も身にまとえるというなんだかアトラクションみたいなお店でした。

なぞなぞカメラその31

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久々になぞなぞカメラ。

さて、これはなーんだ?

難易度低めな気がするのでノーヒント。

痕跡ドローイング

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iPhoneの液晶画面。

指の油の痕跡。

写真だけども指先の軌跡のドローイング。

まだまだ試行錯誤は続きます。

真珠の耳飾りの少女の広告

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というわけで街中でみかけたフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」の広告。

まずこちらはマウリッツハイツ美術館展の広告。

場所は上野公園入ってすぐの東京会館の前。


こちらは井の頭線の渋谷駅にて。ここはいつも美術展の広告がいっぱいです。


こちらは駅のポスター。

今回の広告、ちょっとこのコピーがしつこいかなあと。


主役は作品なんだからもっとコピーは小さくてよいのでは。


なーんて思ってたら会期直前くらいのビジュアルはこんな感じに。

俄然、こっちのほうがよいですよね。


こちらは先日、清澄白河に行った際に目撃した甘味処フェルメール。

いや〜、この店名とビジュアルはくらくらきちゃいますね。


<関連記事>
マウリッツハイツ美術館展(東京都美術館)
フェルメール「真珠の耳飾りの少女」が表紙の書籍

マウリッツハイス美術館展: 公式ガイドブック (AERAムック)クリエーター情報なし朝日新聞出版

EYE

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普段見慣れているはずの自分の目。

とはいうもののせいぜいが鏡でパッと見る程度。

距離はそんなに近くもないし、じっくりと見てはいない。

昔、高校生の頃、一眼レフでセルフポートレートを撮っていた。

部屋を真っ暗にしてシャッタースピードははB(バルブ)に。

んで、シャッターを押しっぱなしでロック。

最短距離にピントを合わせたカメラを自分の顔に向ける。

ここで用意してたストロボをぴかり!

シャッターのロックを解除。

なーんてことやってたのだからなんとなく原点回帰?

とにかく出来るだけ枚数を撮って感覚を養うこととしよう。

無題37

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まだまだ手探り。

でも、まずは撮る。そこからってことで。

デヴィッド・リンチ展(8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery)

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8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryで開催中のデヴィッド・リンチ展に行ってきました。

映画監督だし、あんまり期待してなかったのです。

ところが参りました!

特にリトグラフと水彩が素晴らしい。

黒の絵の具で描いた風景は心象風景のようであり、記憶の向こうをふと垣間見たかのよう。

ちょっと水墨的にも見えるか?とも思ったがまた違う。

描かれているのは人間だったり分かりやすいものなのだけどもこのモノトーンのタッチがなんともよい。

悪夢かといえば決してそうともいえず、妙に気になる。

リトグラフに近づいてみると細かい部分は波紋を少しジグザグにしたかのような滲みになってて時間を感じさせてくれる。

あと水彩によく見られたのが引っかいたような凹みのライン。

これで平面状の空間の広がりにもうひとつ軸をもたせてる。

とてもバランス感覚がよく見てて気持ちいい。

木版、ペインティング、リトグラフ、水彩と幅広い作風もお見事。

嬉しい誤算で堪能できました。満足。

赤丸、結構ついてたのも納得。

7/23まで。

さかざきちはる 夏の小さな展示2012(有隣堂アトレ恵比須店)

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さかざきちはる 夏の小さな展示2012に行ってきました。

数えてみたらなんともう6年も通ってる。

ほんと早いものです。


今回も某氏のペンギンくんが登場!

なんとお店のプレートもここに置いちゃいます。


Vペンギン3兄弟!

なーんてことをやってる間に朝の時間は過ぎてゆきます。

というわけで整理券をもらい、10時を回って販売がスタート。


根付は久々。

ペンギンがラーメン!!

冷静に考えるとあり得ないことだけど、これが出来ちゃうのがさかざきさんのイラストのチカラだなあと。

うむ、かわいいな〜。


名刺ケース。

これは実はしくじりました。

というのも新作の「ヴィーナスの誕生」のほうが欲しかったのですがもう完全に冷静さを欠いていました。

以前に同じ絵柄のを買っていたのです。

でも、今回のはステンレス製で材質は変わっててかなり硬くて丈夫そう。

どちらも大切に使うこととしよう。

やはりこれは絵柄が相当に気に入ってますから。


そしてメインのプリントは「ゆめの花火」。

今回の新作プリントはこちらの一点のみ。

こういう季節ものはやはりよいですね。

ペンギンで日本の四季を感じる。なんとも素敵なことです。

この他に今回も陶器は超絶クオリティのがいっぱい。

スペースの問題とかもあってなかなか手が出ないんですよね。毎回、この陶器の出来栄えには唸らされます。

というわけで本日のペンギン決戦、終わりました〜。

奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている(横浜美術館)

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昨日スタートした「奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている」に行ってきました。
(↑こちらははがきサイズのちらし。真ん中で折れていない「夜まで待てない」)

奈良さんの横浜美術館での個展は2001年に開催された「I DON'T MIND, IF YOU FORGET ME.」以来で、今回が2回目。

今回は以前に奈良さんがツイッターに書かれていたとおりで新作のみ。

リストを見るとなんと108点もの作品があるのですが制作年は2010、2011か2012のみ!

過去の作品をひっぱり出して来ちゃえば会場は埋まるだろう。

でも、そういった手法を取らず、ペインティングやドローイングの他にも今回初となるブロンズまでオール新作で臨む姿勢が素晴らしい。


美術館のドアが開くと「ホワイトゴースト」がお出迎え!!

でかい!

これは以前にニューヨークで屋外に展示されていたことのある作品。

見たかったのであえてうれしい。つるんとしてて線もシンプル。でもどう見ても奈良さんの作品だと分かります。エッセンスの凝縮がお見事。

なんと約3.7mもの高さ。

ここは写真撮影が出来ます。記念写真を撮るひとがたくさんいました。
(「奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている」会場内は撮影不可)





さて、最初の部屋「第4展示室」に足を一歩踏み入れて泣きそうになった。

そこに佇む作品から放たれるなにものかがそこに存在するという空気。

そうだ、6年前のAtoZの会場で感じたあの感じにとても近い。

最初の部屋はほの暗い中にブロンズ像が8点(※うち1点のみ白銅)。

最初は陶器と同じようなものを想像してた。でも、まるで違う。

ブロンズの像はどれも表面に作家の手の痕跡がこれでもかと残っている。

まるでその空間に存在していたナニモノかを手の動きで拾い出して形に新しい命に仕立てるかのように。

そういう意味でとても生々しく命が宿っているなあと感じました。

「ミス樅の子」の空に向かって長く伸びる頭はついついしたからじっと見上げてしまう。

「真夜中の巡礼者」は前に出した手のフォルムのバランスが秀逸。あとまつげのとんがったフォルムも凛としてていい。

繊細な描写もいいのだけどもこういう大きな作品で作家の手のぬくもりがこれでもかと残ってる作品もいいものだ。

「彫刻のためのエスキース」と題されたラフスケッチもいい。




さて、次の部屋「第5展示室」へ。

「2011年の僕のスタジオから/水戸での展示を経由して2012年7月の横浜へ」と題されたインスタレーション。

昨年の水戸でのインスタレーションが再現されるとのことで楽しみにしていました。
(関連記事:CAFE in Mito 2011 かかわりの色いろ(水戸芸術館現代美術ギャラリー)

音楽がとてもあっててなんとも居心地のいい空間。

壁にはドローイング、ペインティング、写真、おもちゃなどなど。

ダンボールから足を出してるアイツも健在で嬉しい限り。あとスタンドもちゃんと来てた。

命少女、NO NUKESの2012版の少女がここにいる。

少し仕切られてて部屋的ではあるけれども、ここはもう小屋じゃない。

そういうところでも奈良さんの変化を感じますね。

あとよいなあと思ったのが灯り。

裸電球が3つ。ほのかにやさしい光が暗さも同時にかんじさせてくれている。

ここはずっと居られそう。




つづいては「ホワイエ」に。

「ブランキー」ここ最近の奈良さんのアクリルのあのカラフルな色彩は好き。あたまのかたちがリーゼントちっく。

「Red Cross Kranken Schwester」段ボールに描かれてて文字はドイツ語かな?マジック(だと思う)のラインがなんとも軽やか。

「体重計少女」こういうバランスがすっと出てくるんですよね〜。キタカのエゾモモンガのフォルムが脳裏をよぎったのはナイショ。


「山少女」
この線のうるさい描写があんまり見ない感じ。ミス樅の子といいこういうこんもりしたフォルムの好きですね。




そして「第6展示室」へ。

部屋としてはひとつですが仕切りがあって分かれてます。

薄茶の紙に色鉛筆で描かれたシリーズの点数がはんぱない!

正方形なのと大きさ的にもレコードジャケットを意識しているのでしょうか。
(正方形でないのもある)

気に入ったものをいくつか。

「年貢の納め時」手のポーズとフォルムが楽しい。しかもにゃんこっも一緒のポーズ!

「Lone Star」手、長っ!

「ミラーボール盆踊り」久々に名古屋嬢ちっくな胸の谷間のある女性。こちらも腕のフォルムが盆踊りちっくでかつパラパラ的にも見える。

「He is Bad I am Good」地の池に横たわる首。ちょび髭がなんとなくヒトラーっぽく見えなくもないが決め付けは危険なりってことで。

「1234」心臓のハート。なんでもないことだけども奇跡の連続で生きてるボクたち。

「Get Fooled Again」なんかゆるいのに迫力がすごい。かなりでかい目と手のゆらゆらからだろうか。

「Rock'n Roll Show」手の動きがいい!チカラを感じるんですよね。


続いて今回、かなりの収穫だったドローイング。


「Young Mother」

これが一番ぐっときました。

顔の表面に描かれている小さなぐるぐる、そして実際にはないでろう線。

明らかにおかしいはずのものがそうは見えない。むしろしっくりとはまる。

しかもこれらの線がこの母を守るエーテルのように見える。

きっと授かった命のエネルギーなんだろう。

今回、何度となく戻ってじっくりと見た作品。

しかし、奈良さんの鉛筆で描いたのの突き刺さるかのような繊細な感じはなんだろう。尋常でない感じが最大レベル。


「Five Years」

腕にかかえるボールには「Five Years」と書かれてる。

他にも書かれている文言が気になりました。「earth was really dying」地球は実際に死んでいた。

しかも、wasの下にはisを消してある。

時間の経過。震災以前ならば同じ変わらない5年後がオートマティックにやってきただろう。

でも、いま確証はない。

あっ、でも解釈はそれぞれです。


「Baby Rocker Help Help」

こちらはもっとやばい。

巨大なおんなのこ。頭から火を出してしまってる。

背景やなんかのスケール感から巨大なんだろうなあと見てとれる。

はるか彼方には家があってドーム状のものが被さりNO NUKESと書かれてる。

やはりこれはシェルターなのか。

だとしたらこの巨大なおんなのこ自体が危険な状況の現況だとしたら悲しい。


そしてアクリル。

「Middle Finger」

これだけなんとも立派なシルバーのごっつい額に入ってて他と違う。

なんとなく色の乗せ方を意識して変えているのではないかなあと。

描かれているのは中指を立ててるいおんなのこなんだけども。


「Under the Hazy Sky」

今回一番気になった絵画。

好き嫌いで言うと微妙だけどもこの目に浮かんだ悲しみの表情ったら。

奈良さんの絵画はかなりの点数を見ているけどもここまで悲しみをつきつけた瞳ってあんまり見た覚えがない。

この1点が突出してて気になる作品です。

そしてラストは「夜まで待てない」。

会場を出たところの年表に画像が貼られていますがびっくりします。

もとはまるで別の絵だったのがどんどんと塗りつぶされていまの絵に至ってる。

左右非対称の表情が気になるところ。

昔の奈良さんの絵に感じた怖さと近年見る穏やかな表情と。この2つがひとつの画面でバランスを保ちつつ同居している。

互いの存在を肯定しつつ拮抗して存在しているのだ。

異なる2つは「君」と「僕」であり、その2つがちょっと見ててクロスするこの展示会場の場も想起してしまう。と言ったら言い過ぎかな。

今後、またどんな風に奈良さんの作風が変化してくのか楽しみです。

御大にはならずに今も現役で走り続ける作家でいる姿勢、ほんと尊敬します。




会場での展示はここまで。でもまだまだ終わりません。

前述したように展示室を出てすぐに奈良さんの年表があります。一部モニターも組み込まれてて制作の模様なんかが流れています。



そして、続く常設展示に奈良さんの作品が。

「アルゼンチンばばあ」のための挿絵、回天やなんかはなんども見てる。

ところがこれは初めて!!

「ジュリアン」奈良美智 2012

こういうおしっこしてるシチュエーションのが出てるとは前もって知ってたもののこのトーンにはびっくり。

開会式のユーストの中ではこのあたりについて語られていました。

2001年の「I DON'T MIND, IF YOU FORGET ME.」でも登場していたおしっこをする少年モチーフ。そしてまた今回も。

まだまだ出し足りないってことで!


そして忘れてはならないのがカフェ!


なんとこんなふうに作品が展示されています。10点以上あったかと。
(※フラッシュを使用しなければカフェでの撮影はOKだそう)

あとブロンズも2点ありました。


あと、嬉しいのはトレイに敷かれているシート。

ちゃんと奈良さんの作品を使ってる。

ホワイエに展示されていた「体重計少女」。

もちろん持って帰りましたよ!


図録は現在、製作中とのこと。

会場の図版が入るとのことで楽しみ!


ショップの横のケースの中には森ガールのキーホルダー!

なんと7色。ゴールドとシルバーは横浜会場限定とのこと。

見終わって満足。

奈良さんやっぱ、すごいや!!



<おまけ>

桜木町駅に!「夜まで待てない」


裏には「Under the Hazy Sky」

また必ず再訪しますね!


「奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている」
会期:2012年7月14日(土)−9月23日(日)
会場:横浜美術館
休館日:木曜日
開館時間:10:00−18:00(入館は17:30まで)

「奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている」公式サイト
http://www.nara2012-13.org/


<奈良美智 関連記事>
2012年度第二期MOTコレクション 奈良美智 寄託作品(東京都現代美術館)
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harappaにて〜AtoZの新商品〜
AtoZ Memoral Dogお誕生会
再び、弘前へ〜AtoZから1年〜
NARA:奈良美智との旅の記録
「NARA:奈良美智との旅の記録」特別鑑賞券(絵はがき付き!)
AtoZ作品集「YOSHITOMO NARA + graf AtoZ」が届きました!!
ビッグイシュー56号に奈良美智+graf「AtoZ」が掲載されています!
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かわいい!AtoZなお菓子その2 開運堂のAtoZ薄合せ
かわいい!AtoZなお菓子その1 パリ亭のチーズケーキ
奈良美智+graf AtoZに行ってきた〜詳細版〜(ネタ、バレバレっす)
弘前の街で見かけるAtoZ
AtoZwalkingMapに出てたお店「洋風食堂なずな亭」
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AtoZ弘前限定!みどりのパップ
奈良美智+graf AtoZに行ってきた〜速報版、これから行かれる方へ〜
なかなかいいです!美術手帖8月号
奈良美智+graf AtoZのフライヤー

NARA LIFE / ナラ・ライフ 奈良美智の日々奈良美智フォイル奈良美智 全作品集 1984-2010 Yoshitomo Nara: The Complete Works奈良美智美術出版社NARA 48 GIRLS奈良 美智筑摩書房

福田平八郎と日本画モダン 後期展示(山種美術館)

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福田平八郎と日本画モダンの後期展示を見てきました。

14時半ごろ会場に足を踏み入れたのですが混雑しててびっくり!

前期は閑散としていたのが嘘のよう。

よかった!内容のいい展示なのでもっと多くの方に見ていただければよいなあと思ってましたから。

そしていよいよ後期展示から↑チラシやポスターのメインビジュアルを飾っている「雨」にお目にかかれます。

後期展示の作品の中から気になったものを取り上げてみたいと思います。




☆福田平八郎「鮎」

前期から通しで展示されている鮎3点(「游鮎」「鮎」「鮎」)の奥にまた1点、鮎の絵が。

まず感じたのはグラデーションがキレイ。とても精緻でシャープな印象。

他の3点のゆるいかわいらしさとはまたちょっと異なります。

向かって左の3匹が頭が上、右の2匹は頭が下と配置がばっちりきまっていますね。




☆福田平八郎「雨」

この瓦のくすんだ感じがなんとも言えない。

瓦の淵の直線と曲線のシャープとこのくすみが見事に合う不思議。

なんでもないはずのものに見出すことの出来る美。

それははかなくも消えてしまう雨の跡。

この無常に引き寄せられてしまいます。

ほんと何度見ても飽きませんね。



☆前田青邨「おぼこ」

おぼこはボラの幼名とのこと。

画面上方にのみ描かれる弓なりの小さな魚たち。モノトーンで体の横のクロスした線がシャープ。

かわいらしいというよりも凛々しいという感じ。


☆川端龍子「五鱗」

鯉5匹、頭を皆近づけて集う。そのフォルムが☆のよう花のよう。

どことなく気品のある感じ。

金色の目も意思があるかのようでよい。



☆杉山寧「榕」

ガジュマルの造形の面白さ。熱心にスケッチを取ったというのが納得。

南方イメージのものだけども日本画の岩絵の具のトーンもまたよろし。

中央に描かれるオレンジのはヤツガシラという鳥。



☆小野竹喬「冬樹」

黄色や赤の木々の色使いが面白い。

葉は朱色、雲も朱を帯びてる。空は水色。

色彩の調和のバランスがちょっとすごいなあと。しかもあまり気をてらってやってる感じがしない。



☆加倉井和夫「冱田」

今回見た中で一番ヤバイなあと思った作品。

最初、見てまるで分からなかった。

白い大きな部分と茶色っぽいドット。しかもこのドットの大きさとバランスは一定ではない。ざっくりとしてるが等分をずらしたかのよう。

「冱田」と書いて「こおりた」と読む。

凍ったたんぼ。白いのは凍った部分。ドットは稲を刈った部分の根元のところ。

もう見ようによっては抽象にしか見えない!!



☆中村岳陵「緑影」

パッと見て思ったのはトロピカルだなあと。

光と色の組み方が素晴らしい。影絵のようでもありかつ水のゆらぎで面白いフォルムが交錯する。

文句なく好きな作品。



後期の作品だけでは足りないかと思いきやセレクトしてもこれだけ感じるところがあったということですね。

充実の内容で満足でした。


こちらの図録オススメです。表紙は福田平八郎の「筍」。

7/22まで。

「福田平八郎と日本画モダン」展の関連企画 フォトコンテスト開催のお知らせ
http://www.yamatane-museum.jp/2012/05/photocontest.html.html

半券割引サービスのお知らせ(2012年05月26日)
【特別展】生誕120年 福田平八郎と日本画モダン」展の前期(5/26〜6/24)にご来館された方は、本展チケットの半券を後期展(6/26〜7/22)にお持ちになると後期展は一般1000円、学生700円になります。是非ご活用ください。
(半券一枚につきお一人様一回限り)


<関連記事>
「日本画モダンとは?―福田平八郎のセンス」山下裕二先生講演会(山種美術館)
福田平八郎と日本画モダン 前期展示(山種美術館)

RUSTED

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錆びて佇む。

取り壊されることもなく。

朽ちることが叶うまでは幾許?

ルネサンス 歴史と芸術の物語 (光文社新書) 池上 英洋・著

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ルネサンス 歴史と芸術の物語 (光文社新書)池上 英洋光文社
池上先生の新刊をようやく読了。

冒頭、「はじめに」で語られている『「知っているルネッサンス」とは、本当は何を意味するのか。』。

この言葉で一気に引き込まれます。

これまでさんざ西洋美術を見ているもののそういえばルネッサンスが何なのかはよく理解出来てないまま。。。

この本では歴史の背景と当時の習俗によって宗教と絵画などの美術が変遷していくことがよく分かります。

よいなあと思ったのは新書だというのにカラーの写真がふんだんに盛り込まれていること。

やはりビジュアルがあってこそ。

特に絵画の移り変わりの説明では比較対照が必須です。

美術のことももちろんですがその前提となるパトロンはどのようにして勢力を持つに至ったのかも丁寧に書かれています。

メディチ家がなぜ力をもったのか?そもそもこういうことを疑問に思うこともなかったのでそういった命題の提示にわくわくしました。

マザッチョとマゾリーノの比較では奥行きのある表現と平面的な画面でかなり異なっていますが、マザッチョが27歳で没した後にマゾリーノが奥行きをもった作風の作品を発表するようになっているのは興味深いところ。

「ルネッサンス遠近法」を学んでこうも変わるとは。しかも作風を確立した以降にこうも変えていることには脱帽します。

巻末にはルネッサンスの美術家三十選も。1ページにひとり、1点のカラー図版で簡潔にまとめられています。

美術ファンのみならず読み物として楽しめる一冊です。

オススメ。

ペンブックス15 キリスト教とは何か。? 西洋美術で読み解く、聖書の世界 (Pen BOOKS)クリエーター情報なし阪急コミュニケーションズもっと知りたいラファエッロ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)池上 英洋東京美術

スーパーなぞなぞカメラ!その5

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かなり難しいかなあと思って久々にスーパーなぞなぞカメラ!

さーて、これなーんだ?

簡単だったらどーしよー。

正解は明日の夜、追記しますね〜。


<追記!>
正解です。

この黒いのが画鋲だったのです。銀色のかっこいい画鋲です。

難しかったかな?

愛用のアドレス帳

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以前に東京都美術館にフェルメール作品が集まった四年前のフェルメール展。

たしか、その際に上野駅の中に便乗で出店されたフェルメールショップ。

その時にはもちろん東京では見られなかった真珠の耳飾りの少女のビジュアルを用いたグッズがいっぱい。

最初はそこそこの値段だったものが最後のほうには何点も一緒になっててセール状態に。

なんてタイミングで購入していまだに使っているアドレス帳。

今はまさに皆さんこのビジュアルを見るとあっと声をあげることでしょう。

でも最近買ったものでないところがちょっこし自慢なのでした。

明日で閉店!洋食なかむら@豪徳寺

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明日で閉店する洋食なかむらに行ってきました。

とは言っても一時的にお休みをしてその後、移転してオープンするのだそう。

でも、しばらくは食べられないのは寂しいこと。

明日はクロージングパーティが開催されるのですが所要ありて伺うことが出来ないのでこれはもう今日行くしかないなあと。

というわけで今日はハンバーグ。

これ、絶品でした!

ハンバーグって肉がどうしてボテっとしたイメージなのですがやたらと肉のきめが細かい!

なんとステーキ用のお肉を使ってるのだそう。

あとソースがまたちょっと変わってる。

デミグラスではなくこれも自家製だそう。

後味がさっぱりとしてて美味しかった〜。

お店のご主人と奥様、それにちょうど知り合いも来てていろいろと近況などもお話出来て嬉しい限り。

また移転してリニューアルオープンしたら必ず伺いますね〜。


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調子微妙

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どうも昨日、今日と調子が微妙。

とにかくやたらと寝てるのだけども2日連続でというのはちょっと珍しい。

疲れがプールしてるのは間違いない。

ってことで抗うことなく、まさに惰眠を貪ってみた。

明日はお仕事。

さて、本調子に戻ってくれることを祈りつつまた再びの眠りにつくことにしようっと。

いい夢見られますように。

またもや夏の闖入者

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以前にもあったのだけどもこれは勘弁して欲しい。

ヤツだ。

またもどこかからカナブンが入ってきた。

一度、棒でたたいてどこに行ったか分からなかったがしばあくしてまた部屋を飛び、また行方が分からなくなった。

なんとかして寝るまでには外に出て行って頂きたいところです。

はー。落ち着かない。。。。

Suicaのペンギン スイカサイダー

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先日から気になってたSuicaのペンギン スイカサイダーを手に入れました!!

ちょうど乗り換えで立ち寄った秋葉原のTRAINIARTにて。

このラベルがもうばっちりすぎます。

上にはいつもの「Suica's Penguin」。

そして下には「スイカサイダー」。こっちは果物のスイカってことで。

蓋のところにペンギンくんのイラストがあるんではと期待しちゃいましたが残念ながらグリーン単色の普通のものでした。


この赤に黒のスイカデザインが入ったSuicaペンギングッズってあったっけかなあ?

ノベルティでキャンディーとかあったかなあ。。。(記憶不確か)

製造が気になって見てみたらなんと佐賀の友桝飲料なる会社でいろんなサイダーを出してるよう。

さて写真だとスケール感が分かり難いかもしれませんが200mlですのでスリム缶の250mlよりも少ないくらい。

200円はまあ妥当かなあというところ。

さて、お味はというとほんとまんまスイカ味。

甘いのだけども炭酸でずいぶんとさっぱりした後味に仕上がっています。

この夏にもう一回くらいは飲みたいものですね〜。
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