
今日は思い立って熱海へ。
ノープランで行ったのですが、久々に熱海MOA美術館に。
現在は所蔵企画展「近代風景版画の巨匠 吉田博」が開催されていました。
約70点に及ぶ版画を堪能してきました。
吉田博の版画は確か以前に新版画関連の展示で見ていたかと記憶しております。
なんとなく気になったものについて記しておきます。
○レニア山
冒頭にある画像がレニア山です。
この湖面に写り込む描写は多くの作品に見受けられます。実像と少し違うゆらぎと色彩が心地よい。
あれ?これって、、、

ビンゴでした!
井浦さんのCMでおなじみのマウントレーニアでしたね。
コンビニやなんかで普通に目にするデザインを大正の木版画で見るというのはなんだか不思議な感じがしました。
○沼崎牧場
解説には「版の大きい特大版」と書かれてて実際かなり大きくとても見栄えがよいです。
もちろんこれもしっかりとした画面設計あってのこと。
馬たちのしっかりとした輪郭線。これが群れをなして重なる姿。
ボリューミーながらも繊細なバランス構成の雲が美しい。
あと茶色の地面が毛並みみたいなトーンで艶やか。雲や馬とまるで異なっていて画面によい変化を与えています。
○中房川奔流
水を描いたラインの細いこと!
木版における線としては相当に細いと思います。
ぎりぎりなところに緊張感を孕んでいるのですが色彩の澄んだトーンが画面の印象を清廉な感じに持っていってるように思いました。

○瀬戸内海集 光る海
この陽光のなんともキラキラとしていることったら!
色彩設計が素晴らしくまるで白い箇所がバックライトで光ってるかのよう。
遠くの淡い紫が意外にバランスの中に収まっている。
今回見た中で一番惹かれました。というわけでポスカを購入。
個別に気になったの以外にもよい作品が多数ありました。
驚いたのは作品の場所が広範なエリアにわたること。
ヴェニス、アフガニスタン、中国、インドなど。日本だけでも相当に動き回ってる。しかも、自身がアルピニストだったということで山を描いた作品も多い。
あと今回、よいなあと思ったのはリストはもちろんなんですが作品解説を7点ほどピックアップしたペーパーも配布されていたこと。
モノクロでしたが図版も掲載されていて鑑賞した際の記憶をよびおこしてくれるのは助かります。
まとまって流れを見られて満足でした。
5/13まで。

