Bunkamuraザ・ミュージアムで23日からスタートした、フェルメールからのラブレター展に行ってきました。
↑の3種類のチラシ、これでもう行く前からワクワクしてました。
あと、渋谷駅もこれでもかとこのビジュアルが溢れてましたね。
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まず、会場に入って目に留まったのがリスト。
封蝋で閉じた手紙になってるデザインはばっちりきまっています。
あれ?小さい。A4を2つ折にしてあって、中にもう一枚織り込まれています。
中のは作品リストになっていて、外の内側には解説も。
「17世紀オランダの手紙事情」、そして「フェルメールからのラブレター展」クイズ。
読み物は楽しいし、後で見返して復習できるのは有難いところです。
今回の目玉はフェルメールの作品3点ですが他にも見所が多かったです。
ヤン・ステーン「生徒にお仕置きをする教師」
ヤン・ステーンは見ててすごく伝わります。粗野でひどい感じのもあるけど生々しくて描かれた人物が生き生きとしています。
この泣いてる子の左横の子の顔の歪みがやりすぎてて怖いくらい。
ピーテル・デ・ホーホ「室内の女と子供」
とても明るく外光を感じさせてくれる作品。
でも、実際に画面に描かれている窓はすごく小さいのがなんだか意外でしたね。
そして、フェルメールの3作品が登場!
コの字形の各面に1点ずつ展示されていました。
ヨハネス・フェルメール「手紙を書く女」
ぱっと見て気になったのが背中のライン。
そして、頭に重なる背後の絵の額の角。
背中から伸びたラインと額のL字がつながってYになっているかのよう。
にしても、この頭のところに額を重ねる妙なバランスはフェルメールならではだと思います。
画面のきめ細かく描かれたことで得られる密度があってこそ成せる技なのかなあと。
今回の3点の中ではこれが一番よいなあと思いました。
ヨハネス・フェルメール「手紙を読む青衣の女」
ラピス・ラズリで描かれたブルーが美しい。
こちらも線がとても気になりました。
まるで女性の胴体を貫くかのような地図の下の鉄棒。
力の入った拳と張り詰めた表情がドラマを感じさせてくれます。
映像とボードによる解説は必見。
修復でどのように変化したかがわかります。
青衣の青は修復前は椅子の青と同じようない色だったとのこと。
ハイビジョンをさらに超える4Kのモニター映像は実物が小さいフェルメール作品を拡大して写すにはもってこいでした。
※4Kはフルハイビジョンの4倍の解像度
こんなハイスペックの規格なんて要らないなあと思ってたのは大間違いでした。
ヨハネス・フェルメール「手紙を書く女と召使い」
こちらは東京都美術館で見て以来、二度目。
人物が2人いるせいか先の2点とはちょっと印象がことなります。
光の描写はやはり秀逸です。
布の質感描写も見事で、カーテンとテーブルクロスの質感の描き分けはお見事。
やはり一番ツボなのは召使いの表情ですね。
フェルメール3点で大満足、至福の時間でした。
この他にも、以下の作品が気になりました。
・コルネリス・ベーハ「酒場の情景」
→胸も見えてしまいそうな女とかしづく男。背景は暗く、二人だけ浮かびあがっている。
・アンドリース・ファン・ボホーフェン「テーブルに集うファン・ボホーフェンの家族」
→同じ顔、しかも今でいうところのカメラ目線状態で怖い。
・フランス・ファン・ミーリス(1世)「手紙を書く女」
→艶やかなトーンが印象的
・ヘリット・ダウ「執筆を妨げられた学者」
→レンブラントの弟子というのが納得。
絵葉書の他に便箋もあったので買っちゃいました。
2012年3月14まで。
混雑する前に是非!必見です!!
そして、今年はフェルメールが続きます。
東京都美術館で6/30からスタートする「マウリッツハイス美術館展」での「真珠の耳飾りの少女」。
鮮烈ですよ、このビジュアル。
そして、こちらもフェルメール。「真珠の首飾りの少女」。
6/13からスタートする国立西洋美術館での「ベルリン国立美術館展」のポスター。
6月の上野はフェルメールがいっぱいです!
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もっと知りたいフェルメール―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)小林 頼子東京美術