2/19の昨日が最終日。
なんとか駆け込みで北京故宮博物院200選を見てきました。
何度かトライしようと思ってたものの「清明上河図巻」に混雑を聞くにつけどんどん後回しに。
さすがに3、4時間待ちとかありえない。
まあ、分かりますよ。見ないとその良さを認識出来ないというのは。
でも、その時間待つのだったら何が出来る?そう考えるとちょっと無理でした。
せめて予約券を発行してその時間になったら行くという風にすべきだなあと。
気候のよい時期ならばともかく、この寒さ。体調を崩されることが容易に想像がつきますから。
さて、苦言はさておき、内容はとても濃くボリューム満点。
「清明上河図巻」のオリジナルはすでに撤収してて複製の印刷での展示でしたが前段のモニターでの詳細紹介もありこれはこれで楽しめたなあと。
☆「清閟閣墨竹図軸」柯九思筆
異なる濃度の竹の葉が重なるさまがデザイン的。
下の岩の墨のにじみで連続してく様がちょっと筋目書きを思い浮かべました。
☆「楷書帝師胆巴碑巻」趙孟頫筆
正直、書は分かりません。今回もその大半はざっと見てスルー。
ところがこれは素人目にも他と異なるというのが分かりました。
冒頭部分の文字が印章に使う文字のようでフォントといった感じ。
こうなるとグラフィックとして楽しめます。
☆「清明上河図巻」(複製の印刷版)
これは思ってたよりもよく出来てるなと思いました。
わたしはオリジナルを見てないのでその再現性の比較にまで言及することは適いませんがかなり細かいレベルまで出てて驚きました。
人物がとても小さいもののどのひともとても楽しそう。見ててこちおらもにこにこしてしまう。
同じ印刷でも本だと連続して見れないのがつらいところ。
オリジナルと同じ構成を維持したまま見られるというのはとても有難いなあと。
さて、青銅器が続いて思うのは同じ約三千年前のを常設で多数展示してる根津美術館て何気にすごいなあと。
☆克鐘
その青銅の一連ではこれが一番好み。
ぼこぼこした螺髪みたいなデコラティブが独特。
☆琺瑯蓮唐草八卦文炉
琺瑯はどれも綺麗でしたが構造としてはこれが最強。
なんと金の象の顔が脚になってる。しかも伸びた鼻の下の玉が設置面。
こんな脚3本で支えてる。
☆孔雀翎地真珠珊瑚雲龍文刺繍袍
刺繍で作られた模様の隙間に孔雀の羽を敷き詰めてるので緑に見えるのだそう。
ビーズの装飾も素敵でした。
☆青花龍濤文八角瓶
ちょっと龍のデザインが異質。ゆるいんですよね。開いた口がほげえという感じ。どこか抜けててかわいい。
☆方盤
4つの脚が虎の造形。しかも、かみ締めた歯がむき出し。ニッて感じの表情。
さらに内側には魚、亀、かえるの造形。これは楽しいです。
☆刺繍三羊開泰図
3頭の羊の刺繍がいいのはもちろん、岩のフォルムが面白い。
☆緙絲極楽世界図軸
曼荼羅的なのですが構成が独特。
阿弥陀如来の頭のてっぺんから立ち上る煙みたいなラインが見たことない感じ。
やがてラインは分岐して整然としつつも絡まりさらに分岐。太くなる先の中に円が描かれ、その中にまた仏がというもの。
☆「康熙帝南巡図巻 第11巻」王翬等筆
幅が広い巻物はなんと迫力のあることか。
そしてクオリティが保たれたままだれない。
岩の積層になった描きこみとまるで海のような長江のダイナミックな描写が素晴らしい。
☆碧玉編磬
への字型の金属を吊るした楽器。
台座があひるになってて目がかわいい。
☆乾隆帝像
中国の絵画じゃないのです。
解説を見て納得。宣教師ジョゼッペ・カスティリオーネによって描かれたものらしいとのこと。
こういうのを遺すあたり先見性のある王だったのだろうか?
☆昭陵六駿図巻 趙霖筆
脚が短く力強く描かれている馬。矢のささってる一頭が痛々しい。
☆乾隆帝古装像屏
カスティリオーネと中国人画家によるい合作だろうと書かれてて納得。
着物の稜線は黒線で描かれているが人物の立体感は西洋絵画という妙。
☆大威徳金剛(ヤマ-ンタカ)立像
チベット仏教の造形は怖い。腕も顔もたくさんついてて明らかにバランスがおかしいのだが破綻していない。
造形のレベルが高いからこそ成立する。
☆乾隆帝大閲像軸
ここまでつきつめるともう西洋画です。
しかも大きい。そして見てかっこいいなと思える肖像画。
なんとか見られてよかったなあと思いました。
やはり百聞は一見にしかず。
というわけですでに会期終了です。