画廊くにまつ青山で開催中の荒木愛さんの個展を見てきました。
去年の個展には伺えておらず、わたしが以前に個展を拝見したのはもう4年前のこと。
会場に入ってまず気になったのがDMになっていた「破られた約束」(写真の左)
黒鳥と蝶とこのタイトル。
そしてその画面の実物に見入ってしまった。
日本画の岩絵具の表現は以前からの見慣れたトーンなのだけど背景にこれまでになかった表現を見つけました。
滲みというか、水彩で見かける水を落とした箇所に現れる微かな線。
画面を見ててこの線を追うことでどれだけ視線移動の広がりを感じたことか。
そして中央に鎮座する不敵な表情の黒鳥の存在感。
あと、ほかに今回新しいなと思ったのはカラフルな色使いの小品2点。
もともと作品の色使いはばっちり決まってましたがひとつ画面であまりたくさんの色彩を入れ込むよりも、シンプルな色の対比で表現されていた作品が多かったように思います。
ほかに「火の玉」なる作品も気になりました。
一見、丸い太陽のように見えるのですがその実際はあるものが多数集まって形作られています。気づいてはっとなる、シンプルで力強い表現でした。
会場全ての作品を見終えると鳥モチーフが多いものの昆虫モチーフ、歯、ドリンクなどこういう連なりは荒木さんならではだなあと。
じっと見ていて飽きのこない素敵な空間でした。
11月27日(日)まで。