Quantcast
Channel: あお!ひー
Viewing all articles
Browse latest Browse all 388

あおひー展「道草模様」作品解説

$
0
0
あおひー展「道草模様」も残すところ、あと5日となりました。ネタバレとなりますが本人による作品解説をあげていきますね。
(先ほどツイッターにアップしたものに追記しました)

<10/10追記>
写真をアップしました


左から 1.閃花 2.豪樹 3.街道 4.躑躅 5.腰掛小熊

1.閃花

花が光の中でパンと弾けたように見えたのでこういうタイトルにしてみました。 冒頭の5点は今回、初となるラムダプリント。

ペーパーがメタリックでテカテカ度がとても高いです。


2.豪樹

どーんとしているのに爽やかな感じの色味が好み。適当なタイトルがなかなかに思い浮かばず。英語だとダイナミックかなあ。じゃあ豪快な木って感じで豪樹ってことで。


3.街道

先の2点のタイトルは冒険したので逆にベーシックなものに。まっすぐと森の向こうへと伸びてく道。実は赤いのは工事の案内看板だったです。


4.躑躅

色味はここがギリギリ。ここを越えると青みが強くおかしくなる。キワのところで止めてみました。難解さはなく至極、ストレート。花のひとつひとつのディティールが消されてしまっても群れとしてフォルムでそう見える。この群れというか塊みたいなものは以前から気になって撮っています。前回の個展のNAMIYOUとかもそう。


5.腰掛小熊

どこがどうなっているのか説明するのが難しい1点。森の中の木と岩なんですが光の加減で別のフォルムに見える。わたしのはこれが腰掛けた熊に見えたのです。さあ、だんだんと見たままのものではなくなってきました。



左から 6.並木 7.紫陽花 上>8.睨眼 下>9.道化 10.blast 11.forest

6.並木

NEW YEAR SELECTION 2014に出品した作品。極端なボケで丸が連なるフォルム。写真でここまで出せているのはあまりないと思うのですがいかがでしょうか?コンパクトデジカメの小さいセンサーで極端にぼかすからこそ得られる画面。センサーのでかい一眼やミラーレスだとぼけがキレイに出てしまう。画質が悪くても小さいセンサーの強いストロークのボケのほうのオリジナリティを大事にしたいのです。


7.紫陽花

かなり寄ってストロボを焚いてるので元の色味とはかなり違っています。これは色調整もゼロ。撮って出しの作品は久々かも。しかもいつも使ってるのよりも更にスペックの低いコンパクトデジカメで撮っています。



上から 8.睨眼 9.道化

8.睨眼

にらみめ。漢字二文字の「睨眼」はあんまり見かけない並びでかっこいい。パッと見てフォルムが眼に見えてしまった。日中、屋外のバラを正面から。これは一番最初に今回の個展に出そうと決めてた作品。


9.道化

金魚に見えたひと続出。このタイトルにしたのはおどけたピエロに見えたから。当初は「あざけり」というタイトルを考えていた。どこをどう撮ったか聞かれることも多いけど、本人ですらわからないことも多い。「道化」は特にそう。まるで覚えていない。フォーカスを合わせた写真は撮らずに実景を捨て去る。ぼやけた写真についてはそういうポリシーで制作してるからなのです。



左から 10.blast 11.forest

10.blast

閃花と同じ画像。サイズは一回り小さく紙も違います。その上にシリコンの玉を乗せています。サイズを小さくしたのはこの玉が綺麗に作れる大きさに合わせるため。


11.forest

こちらは腰掛小熊と同じ画像から。この2点については透明感のある感じのタイトルってことで英語にしました。発表している一枚を選出するまで何枚破り捨てたことか。このシリコンの玉を作るのはけっこう難しいのです。


左から 12.彩葉色玉(乙) 13.木霊 14.2つの顔 15.モノノケ

12.彩葉色玉(乙)

NEW YEAR SELECTION 2015で登場した「彩葉色玉(甲)の」別バージョン。プリントは同じ。でも玉の乗せ方が異なります。 シリコンの玉を乗せたシリーズは「共鳴する雫」=「レゾナンスドロップ」と名付けました。


13.木霊

昨年の夏、3331にいきなり登場。シンメトリーによりイメージを落とし込んだ謎なやつ。エヴァンゲリオン、デビルマン、魔王等々の感想が面白いです。

ただでさえ16対9のサイズは横長に見えるのですが、これは32対9なので相当に横長に感じられます。妙な安定感、悪魔的なのに森の優しいイメージも感じる不思議な風合い。



左から 14.2つの顔 15.モノノケ

14.2つの顔

この川面は結構撮ってました。回数は少なかったものの1年以上に渡って取材していました。抽象をやるつもりで撮ってたらこういった別のイメージに行き着いた不思議。川面が波打つタイミングと映り込みがイメージに転化しやすいポジションを狙います。水面の動きは予測不可能で自由にならないところが面白い。


15.モノノケ

こちらも川面。ここまでたくさんの化け物的なのが出てくるのはびっくりしますね。因みに緑色の鉄骨の橋が川に映り込んでこういうフォルムに化けました。先の「2つの顔」とこれとはミラーレスでセンサーの大きいカメラで撮っています。何もない汚い川をずっと撮っているので相当に変なひとに見えることでしょう。



冒頭は何が映っているのか分かりやすいものから。進むにつれてだんだんと抽象の度合いを高めてく。

一度見たのと同じイメージが煌めきをまとい、カラフルのキラキラへ。シンメトリーの魔人は木々と魔物をつなぐ。

道草そぞろ、行き着く先は逢魔が時か。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 388

Trending Articles