
風間サチコ 展「没落THIRD FIRE」に行ってきました。
※写真掲載はギャラリーの許可を頂いております。
やはり圧巻の版画でした。
まず最初にお知らせです。
メインとなる大作1点は完成しておらず、1週間から10日ほどかかるよう。
とはいうものの展示されていた大作2点と小品1点、ドローイング数点、そして現在製作中の大作の原画1点でしたが満足のいくものでした。
何よりもどんどんと表現が先鋭化しているように思いました。
まずは入口入ってすぐ左の作品。
「獄門核分裂235/"Prison NUKE FISSION 235"」
いくつかの建物が複合化されているものの直線が目立つ。
タイトルからも以前に発表された作品にあったプリズンスガモーとのつながりを連想します。事実、キャプションにはそのあたりが触れられています。
画面上方にはきのこ雲。
電子の如く飛びかうのは人の顔。
後藤文夫、正力松太郎、岸信介、中曽根康弘、橋本清之助、小坂順造ら。
この顔の連なりはやはり以前にあった観覧車に歴代総理大臣の顔を描いてたのを想起してしまいます。
画面が力強く、特異だけどもこちらに訴えかけてくる強度が笑いの部分を遥かに上回っているようにお思いました。
続いては小品「没落THIRD FIRE」展。
このページ冒頭のDMの画像なのだけどもこちらは赤い紙に黒で刷られている。
タイトルの「THIRD FIRE」というのは原子力発電を第三の火と呼んでいたところから。
この文字の描写がどことなくストリートアートのスプレーで描かれたかのようなテイストで不安感は満載。
このDMはA5サイズなので飾ってもなかなか映えるんですよね。

「黎明のマーク1」
??
タイトルが分からなかったのですがキャプションを見て納得。
これは会場で是非確認してみてください。風間さんはディティールにこだわった取材をされているのがよく分かります。
この作品はすごく単純に風景画として美しいなと思いました。
凝ったモチーフ云々ではなくシンプルび響かせる画面に脱帽です。
そして、現在製作中の作品は原画だけ見ても期待出来そう。
横長のワイド画面に描かれた波と船。もちろんこれらの船には意味があり。。。。
なんとか完成した作品が見てみたいものです。
さらにドローイングはかなりヤバいです。
漫画たっちで描かれる原子力モチーフのパロディばかりが8枚。
とにかく画面の持つパワーに圧倒されます。
久々の無人島プロダクション、大満足でした〜。
来年の1/19まで。
会期:2012年12月8日(土)―2013年1月19日(土)
※12月24日(月)〜1月7日(月)は年末年始休業
会場:無人島プロダクション
Open:火〜金|12:00-20:00
土〜日|11:00-19:00
Closed:月・祝日
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