山種美術館で開催中の「桜・さくら・SAKURA2012」トークショーに行ってきました。
いつもお世話になっている青い日記帳のTakさん( @taktwi )の企画で今回も山?館長のトークショーが開催されることになり、お邪魔して参りました。
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今回、山?館長は桜色のお着物でした。そのまわりを参加者が取り囲みお話を伺いました。
以下、トークをメモしたものからまとめてみました。
なお、当日は著作権で不可のものを除いてはなんと撮影がOK!
なんとも太っ腹な対応に心躍らせたのでありました〜。
☆奥村土牛「醍醐」
土牛83歳の作。
この桜色の美しさに浸っていただきたいとのこと。
このピンクは胡粉の白と綿臙脂(わたえんじ)の赤を混ぜて作るのだそう。
綿臙脂というのは今は作られておらず大変貴重なものだそう。
これがなんと綿臙脂の実物!
この赤はカイガラムシの体液の色なのだそう。
☆小林古径「清姫 のうち 入相桜」
もともとは絵巻物におする予定で8枚を描いてあったもの。
美術館を設立するなら譲りましょうと言われて今に至るのだとか。
☆東山魁夷「春静」
川端康成の勧めで京の四季を描いた。
左上の部分は金泥。山の緑は緑青(孔雀石)で濃い部分はフライパンで焼いたのだそう。
☆奥村土牛「吉野」
これを描くのに吉野に3回通ったとのこと。
土牛はセザンヌを意識しており、あまり細かいところまでは描きこまないのだとか。
☆富田渓仙「嵐山の春」(部分)
この作品は修復を終えて展示されるのは15年ぶりなのだそう。
右は動、左は静の構成。
☆橋本明治「朝陽桜」(↑冒頭のちらしの作品)
昭和に建てられた皇居の宮殿にある作品とほぼ同じように制作されたものなのだそう。
☆松岡映丘「春光春衣」
最近では忘れられた画家だったが山下裕二先生が高く評価している。
昭和初期の復古大和絵。画面上部の緊迫など工芸的手法。
以前はあまり出てなかったがここ数年の展示ではよく登場しているという。
☆橋本雅邦「児島高徳」
児島高徳が後醍醐天皇への忠義を木に刀で印しているところを描いた歴史人物画。
そしてここで展示ケースについて。
屏風などを見せる際に継ぎ目が少ないほうがよいとのことで、ガラスは幅を最大限にとっているのだそう。
より透明性の高いミュージアムガラス。
さらに照明についても器具が目に入らないよう設計してもらっているとのこと。
光源についてはLED、スポット、ハロゲン、蛍光灯をその時の展示に合わせて変えているのだそう。
川合玉堂は第二次世界大戦時に奥多摩に疎開し、気に入ってずっとそこに住んだとのこと。
館長の祖父、山?種二は親しくしていて言えによく行っていたのだそう。
戦時中に米を車のトランクに隠して持っていったことも。
横山大観はさくらに愛国心の意味を込めている。富士も同じく。
千住博「夜桜」と稗田一穂「朧春」は隣あって展示されているがちょっと似ている。
というのも千住博は芸大で稗田さんが先生だったのだそう。ちなみに村上隆もそうなのだとか。
楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。
山?館長ありがとうございました!
その後、1Fではこの和菓子もちょこっと試食させていただきました。また、カフェでゆっくりと頂きたいところ。
毎回、展示作品のイメージに沿って継続して出していかれてるのが素晴らしいなあと。
今回のトークショーのためのピンクのリボン。
終了後に回収されたその姿もまた桜のようでした。
さて、あおひー個人の感想はまた改めて書き記したいと思います。
5/20まで。