名古屋市美術館で開催されている「フランソワ・ポンポン展」に行ってきました。
ちょうど所用があって名古屋に行っていたのでした。
時間もあるし、ポンポンの日本初となる回顧展ならばこれは見なくてはと!
正直、ポンポンは有名なシロクマ以外にはどんな作品があるか知りませんでした。
動物絵画となればいろんな作品が頭にすぐに浮かんできます。
若冲しかり、応挙しかり。
動物彫刻となると三沢 厚彦さんのアニマルズが思い浮かびます。
そんなこともあってポンポンのシロクマの他の動物たちがどんなふうなのか気になっていたのです。
入口を入るとすぐに大きなシロクマがでーんと待ち構えてました。
しかも背後に展覧会のロゴがあり、ここは撮影オッケーになっていてもちろん撮ってきました。
白、一色。しかも滑らかな面で最小限の起伏のみでの構成。エッセンスを抜き取りつつも柔らかく柔和に感じられる表情への落とし込みの非凡に見えない非凡さったら。
さて、後ろに撮影を待ってるひともいるのでサクッと撮って会場の中へ。
やはり、動物はたのしいなあ。
お子さんが静かに、でもとても楽しそうに回ってるのが印象的。
ちいさい子らに負けないよう、こちらも低い視線からも彫刻をじんわりと眺めます。
シロクマ
ポンポンで知ってる作品といえばやはりコレですよね。
何点もバリエーションとサイズの異なるものがあるのですがプロポーションの落とし込みがどれも素晴らしい。
掌と顔のサイズのバランスの妙、耳のデフォルメの仕方など実物と明らかに違うのだけれどエッセンスの抽出、再構成の上手さに唸るばかり。
ペリカン
顔を表現が最低限の削りこんだ線で構成されていて必要十分。
やりすぎないところで留めることでその存在を確固たるものとしている。
冠鶴
身体にくっつけてしまわれてほとんど見えなくなった片足の先っぽが鉤爪のように飛び出てる。
この全体のフォルムの気持ちよさ。
大黒豹
流線形なんですよね、フォルムが
そして、この表情がなんともおかしくてずっとにらめっこしてしまう。
尻尾はカーブしてギリギリ床面に接さないところでまた上昇していく。
どの角度から見ても飽きない。
今回、見た中でたぶん一番すきな作品。
顔の正面についたギョロリとした目と長い胴体が少しだけ機関車トーマスに近いなあと。
カラス
鳥だとどうしても羽のバサバサ感を出した彫刻が多いのだけれども、このカラスの表面はつるんとしている。
アタマのてっぺんからつま先まで眼を除いて面のみで作られている。
カラスの厄介者的な感じではなく、孤高の存在としての気高さを表現しているなあと。
そして出口近くにもうひとつ撮影オッケーなシロクマ。
こちらはかなり小さいサイズ。もちろん、何枚も角度を変えて撮りました。
あと、面白かったのは他の作家によるポンポンの彫刻。
髪型と髭のフォルムが面白く、彼の作品の可愛らしい印象にもつながっていました。
出口をでると、グッズコーナーがありました。
あっ、小さいシロクマくんが!
ということで連れて帰ってきました。大きさは鼻先から伸ばした後脚まで15センチくらい。
とここまででポンポンは終わりのはずでした。
ところが、一階にある美術館のショップへ行ってみたところ、とても悩ましい光景が!!
なんと、ポンポン展とはまた別にポンポン作品のフィギュアが販売されていました。
シロクマも大きさと色違いがあったり、他の動物たちも何種類もありました。
確か訪れたこの時1週間前の時点ではヒグマとカバが売切れになっていました。
ひときわ目を引いたボリューミーなものもありました。
今回の展示には出ていなかったウサギです。
前脚と後脚をいっぱいに伸ばした飛びポーズ。しかも長さが30センチくらいとでかい!
実は展示に出ていたイノシシが同じようなポーズで、でもよりシンプルな造形に落とし込んだウサギのほうがよいなあと。
店員さんにショーケースから出してもらい睨めっこすること10分。
連れて帰ることにしました。
いまはリビングのテーブルを眺めて楽しんでおります。ああ、これはほんと買ってよかった!
名古屋市美術館でのフランソワ・ポンポン展は11/14まで。