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Channel: あお!ひー
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Dimension 出品作品解説

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本日よりDimensionがスタートしました。

会場にはプロフィールのシートがあり、その下に各作品の解説を書いてあります。

以下、ネタバレになりますが実際に作品をご覧になられた方に見て頂ければと思い掲載いたします。




cast off
抽象の川面がイメージに転化する瞬間、立ち現れた景色。
これは妄想の決定的瞬間とも言える。時間を止めた一瞬を二つに分割する。
そうすることでコマとしての動きを付与し再始動させるという仕掛け。抜け出した虎みたいなやつ。
一休も将軍さまも知らざるなり。♯は半音上がって抜け出した。♭は半音下げて後方へ。


score
おぼろげなフォルムと色で構成された画面。
側面から見ることで像は歪み、その上にレンズの如き透明な玉が立ち並ぶ。
その距離と連なりに想起するものはなんだろう。共鳴する雫「レゾナンスドロップ」シリーズ最新作。


back and forth
いつも利用している東海道線でそれを見つけた。銀色のヒビ割れたプレート。その正体はドア窓の外側に貼られたステッカー。
車内から見るとドアの開閉ボタンに関する注意書きであることがわかる。列車の運行が時間をかけて作り出す画面。
それはいまも徐々に熟成され続けている。同じフォーマットで見分けのつかなったものが、ひとつひとつ違う面持ちを帯びていく不思議。
列車が路線を何度もなぞるにつれて窓の銀色にも線が引かれてく。列車運行の副産物として生成されるドローイング。
これらは記録しないとただ失われてしまうばかりだ。次に同じドアを見つけたとしてもまた以前とは異なる表情をしているであろう。
back and forthは「行ったり来たり」の意味。列車の往復になぞらえてこのタイトルとした。


trace
back and forth は列車の窓のミニマムな景色。
今度は視点を変えて俯瞰から。その列車の運行ルートに立ち現れた図形。自身初となるデジタルドローイング。


以上、解説でした。

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