久々に西村画廊へ。
「町田久美 -Painting, Drawing, Print-」を見てきました。
9階に移転して初めて行ったのだけども大きさは以前よりも小さくなってました。
まずはドローイング。
「かぎあな」
長い髪の間に顔があるべき場所には細長く伸びたひょろっとした家。こういうトーンでもアリですね。
「習作 ー新聞猫のためのー」
今回見た中で一番小さい。猫をまま描いててちょっとびっくり。意外や意外。習作だからこそか。
「鍵穴」
ブルーに月。グリーンに家。
「明星」
黒い雲に刺さるたくさんのはしご。
「翅」
これ、何て読むんだろう?金色の髪と眼。
「新月」
歯のようなフォルムの間に這うかのようなヒトみたいなのの横向き。いろいろと想像を巡らせる。
「インディアン・サマー」
眼が印象的。これが一番以前から思い描く町田さんの作品のイメージ。
「露点」
これは元は版画の「よつあし」をベースに制作されている。過去の作品について手を加えることで変化がどうなるのか。今後も興味があるところ。
ペインティングは「遺跡」1点のみ。リストにはもう1点「夕映え」という作品名が載っていたがこれは間に合っていないのだそう。残念。
「遺跡」は町田さんの王道スタイル。
雲肌麻紙(以前と変わってなければ、のはず。)にじりじりと時間をかけて描かれた線。
白いキャップをかぶったひと。眼をつむりもう一人の方に顎を預けている。
背中には階段状の突起。一番上の段には指輪状のリング。
もうひとりはというと頭があるべきところが臀部みたいなフォルムで足みたいなのが水平に伸びてく。ストッキングみたく黒くなってる。
こうやって活字で書いてても謎なシチュエーション。
異様なのだけどもどこか安らぎを得られる不思議。
そして最後は版画。
「みずうみ」
「前夜」
「前夜(green)」
以前に高島屋の展示に出てたサンタ帽から手の出てるもの。赤バージョンと緑バージョン。
「手紙」
以前に見たものを版画化した?涙を手でつかむ仕草にぐっとくる。
「二夜」
瞳が金色、二つならび。目の際の赤とブルー。
「オンナノコ」
「あたらしい服」
「木馬」
「宵」
「飼う」
「山」
この5点はキドプレスで発表されたシリーズ。
「深さ」
意外にも銀の線が合っていた。
「よつあし」
最初は少ないかなあと思ってもみたのだけども、結構じっくりと見入ってしまうとなかなかに離れ難くなってしまう。
ドローイングも面白いし作風の新たな展開も感じられるのだけどもやはりペインティングの新作をまとめて見たいなあと思いました。
11/15まで。
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