薔薇と光の画家 アンリ・ル・シダネル展に行ってきました。
明日で最終日ということもあってか混んでいました。
なんと今回が「日本ではじめての回顧展」とのふれこみ。
なるほど、この画家の名前を今回初めて聞いたのも納得です。
印象派のテイストと一言でまとめてしまうことは出来ない作風。
☆孤児たちの散策
まるでカメラで撮影したかのごとくのフォーカスの概念を絵画で再現。
びしっとピントが着ている部分とぼやけてる部分を見事に描き分けています。
特にこのぼやけてる部分の色彩分割がカラフルな色で描かれているのがたまりません。
画面すべてそうしたトーンに落とし込むのではなく部分に対して効かせているのがすごいことだなあと。
☆朝
こちらも前述した部分の色彩描写でぐっときます。
この画像では分かり難いかと思いますが画面中央より向かって左の川岸がカラフルな色を散らばして描かれているのがなんともキレイ。
☆カミーユ・ル・シダネルの肖像
シダネルの描いた作品は風景が多いのですがこういった肖像画は家族のものが何点か出ていました。
中でもこの妻のカミーユを描いたのが面白いトーン。
中心から描かれている渦のようなラインが周辺にいくとだんだんと太く木彫の彫り跡のようなトーンに。
まるでエーテルが描かれているかのよう。
☆運河(※リストNo18)
きめの細かい壁の塗りが気持ちいい。
そして窓から見えるオレンジの灯り。かなり強いのだけどもこれくらいのほうが印象に強く残るので逆によい。
☆コンコルド広場
この夜の煌きの描写が素晴らしい。
緑、黄色、赤といった色彩が地味ながらもきらきらと輝いていてしっとりとした夜の空気感がよく出せている。
☆月明かりのテラス
水面を照らす月明かりの描写が出色。
水平に描かれたラインに入る紫は明らかにおかしいはずなのにびしっとはまる!
この構成にはしびれます!
☆階段(※リストNo44)
このぞわぞわとした感じ。
ええ、なんかいます。実際にこの光景に遭遇したらきっとそう感じるはずです。
☆春の空
雲の描写がおかしい。
色彩と立体の解釈がねじれているかのよう。
こちらも雲の周辺の描写が木彫かのよう。
☆アトリエの窓の前に置かれたテーブル
窓辺の光の描写が見事。
花のピンクと葉の緑が輝いてる。
☆噴水(※リストNo68)
点描で描かれた噴水というのは初めてみました。強烈です。
と初めて見てかなり好きになる作品が多数でしたが大満足でした。
明日7/1(日)まで。