東京都現代美術館で開催中のトーマス・デマンド展に行ってきました。
もともとは彫刻を写真で撮っていたのが、写真を撮るために紙で構造物をするというスタイルに。
なんとこの紙で制作された構造物は撮影後には破壊されてしまうのだとか。
このことでふと思ったのは、版画なのに作品と保存用をそれぞれ一枚刷ってしまったら版木を壊してしまうという風間サチコさんのこと。
(エディションで枚数のある作品もありますが)
受付の机にはリストがあったので頂いてチェックです。
んで、ここから既にわなが始まっていました。
作品はどれも大きくアクリルマウントされていました。
紙のマテリアル感が出てる箇所が面白い。天井も床も四角い紙で四隅がちょこっとめくれてたり。
だからペラペラで軽いイメージ。
そしてどの作品もキレイ。
汚しがないのです。例えばこれがプラモデルなり鉄道模型であれば行われるウェザリングがまるでない!
このことによる違和はとても大きい。
あと、効果として大きいのはほころび。
構造として面と面が接着していて本来のものであれば繋がってる箇所が微妙に空いている。
例えば「流し」のシンクのヘリの部分だとか。
ふむふむ面白いトーンだなあと思ってたらこれで終わりというところの狭くなった通路の左手に。。。。
なんと、「まずは解説なしで見てください」との作家からのメッセージ。
そして、そこにはカラーの異なる解説シートが。
2つ折りで色は抹茶、紺、ワインレッド、グレーの4色がありました。
お1人さま1部とのことで、わたしは抹茶色のにしてみました。
あっ、この紙ってもしかして作品に使われてる模型の素材のものなのでは??
というわけでまんまと作家の意図にはめられて2周目がスタート。
なるほど、びっくりするくらいに描くシーンには意図が込められていることに驚愕する。
さっきまではニコニコ見てたのにこの解説を読むと顔つきが変わってしまう。
実は「パシフィック・サン」の動画は最初、意図がわからず見た目の面白さで笑ってしまっていたのです。
紙で作られたであろう椅子やなんかが床をスーッと横にスライドしてく映像。
ところがこんな事実が裏にあり、それを元にしてるとは。
参りました!降参です。見ててほんとそんな気持ちになる。
あと、まさかまさかの東日本大震災へと繋がるところも解説で初めて分かりました。
冒頭のチラシに使われていた「浴室」は人気なようでショップでこのポストカードのみ売り切れとなっていました。
7/8まで。Thomas Demand Museum of Contemporary Art Tokyoトーマス・デマンド講談社