根津美術館で開催中のKORIN展に行ってきました。
去年は震災の影響で中止となり一年ごしでの開催は感慨深いもの。
やはりメインは燕子花図屏風と八橋図屏風。
燕子花図屏風は根津美術館所蔵の国宝、八橋図屏風はメトロポリタン美術館所蔵。
なんと100年ぶりのご対面なのだそう。
この兄弟作品ともいえる二点を並べて見られるまたとないチャンスってことで会期スタート早々に行って参りました。
↑こちらはチラシのうら。
上が燕子花図屏風、下が八橋図屏風。
ご存知、尾形光琳によるもの。
会場の導線では右から左となっていて燕子花図屏風を眺めてそのあと直ぐに八橋図屏風となります。
燕子花図屏風に感じるのは洗練されたデザイン性。
群青と緑青で描かれたシンプルな燕子花。
そして、フラットな金地バックから唐突にニョキっと生えてる茎の根元。
そして茎の根元の部分はわりにまとまってるのです。
この構成から浮遊感が感じられるのですよね。
燕子花の花の部分は厚塗りで全体のデザイン性の高さに比べるとそこまで洗練されてはいない。
八橋図屏風はというとやはり一番の違いはその名の通り右隻上中央から左隻下中央までをジグザグと分断する八橋の存在。
いま分断と書いたものの実はこの橋の存在こそが右隻と左隻とをつなぎ、さらには画面上の燕子花を地面に繋ぎ止めているように思うのです。
燕子花図屏風に感じた浮遊感はこちらにはない。
しかも左隻のほうでは燕子花に接触しておりアンカーとなってしまっている。
そしてこちらの茎の根元はどちらかといえばばらつきがある。
そして花は燕子花図屏風のほうが重たさを感じさせたのがこちらは軽やかに見える。
花びらの開き加減が大きくリラックスしてて色気があるように感じました。
この機会とばかり二点の間を何度も行き来して見比べたのは言うまでもありません。
どうしてもこの二点に注目してしまいますが酒井抱一による光琳百図とその実際の作品との比較展示も楽しめます。
5/20まで。GW終わるとあっと言う間。お見逃すことなきように。
もっと知りたい尾形光琳―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)仲町 啓子東京美術